期せずして、石垣島から連れ去ってしまった、たぶん天然記念物のヤドカリ、名前を「ヤドチャン」と申します。※石垣島から帰って! おまけ編 参照
なんとか元の美しいビーチに帰してあげたいと思いつつ、その前に死なないように管理するためにネットで必死に調べました。まず、ヤドカリの中の種類が解りません。恥ずかしがり屋のヤドチャンは、露出が少なく、毛深いことと黒っぽいという特徴だけでは判定できません。
まずは住環境です。海水の塩分濃度は3%ですが、連れ去った箇所が川とビーチの間で汽水域のため、3%以下で管理すれば大丈夫と考えました。貝殻も必要と思い、シロアサリを購入して、酒蒸しで美味しく頂いたあとに、水洗いしてヤドチャンを入れている大宿の発砲スチロールに投入しました。百均で、蓄光のピンクの石とお友達のヒトデ君も購入しました。
次は食事です。当初は娘が購入してきた、エビ類専用の食事を提供していました。まったく食べません。乾燥ワカメ・小エビを投入してみました。大きくふやけるため、食べたか否かの判定がつきません。食べ残しは、水質を悪化させるために、食べ切りサイズが基本です。
あるときヤドチャンが、たぶん水を飲んでいるときに、上から金魚の丸いエサを投入してみました。これが、浮いていて、エサのサイズがすごく小さなはさみにジャストフィットするため、もりもり食べるようになりました。
ある時に、韓国産の小粒のアワビを購入して、お刺身で頂いたあとの、少しだけ貝柱の残った部分がある殻を、ディスプレイ兼用で投入してみました。仕事から帰ってから覗いてみてみると、貝柱がきれいに無くなっていました。貝好きかと考えて、冷凍アサリを入れてみると、これも食べていました。ただ、お口が小さいので、食べかすが水質悪化を招きます。水替え前にご褒美として与えることとしました。
4月末ごろから、右写真の左下で動かなくなりました。えさも食べません。恐らく脱皮です。本当は土にもぐって、万全の体制を整えたかったのかもしれませんが、お家の底に阻まれてしまったようです。
やどかりも脱皮を繰り返して、成長するみたいですが、決死の行為で、そのまま死んでしまうケースもあるそうです。あの狭い空間での脱衣チャレンジです。脱いだものを食べながら、という話もありますが、真偽不明です。
まったく動きませんでした。エサを与えないため、水質は悪化しませんが、水が蒸発して水位が低下します。塩3%水を追加していましたが、よく考えると塩分濃度が上昇しているのでは?と考えて、減った分の水を足すことにしました。
二週間以上が過ぎて、死んでいるのでは?とも思いましたが、死ぬと悪臭を放つそうなので、大丈夫そうです。
5月29日に少し移動しました。
無事に脱皮を完了したことで、そろそろ引っ越しを検討しているのではと考えました。驚いたことに、貝殻をネットでも販売しているのですが、うちのヤドチャンサイズは取り扱っていません。仕方がないので、魚屋さんに行ってみました。時期的に二枚貝は豊富(あさり、ハマグリ、ホタテ)なのですが、巻貝系はさざえさんしかありません。ヤドカリのお家にする旨を伝えて、大きめの借家を選んでもらい、購入しました。ちなみに産地は新潟産でした。
家に帰って、つぼ焼きです。美味しくいただいた後に水洗いして、投入です。加熱したため、殻の強度低下が心配でした。また、サザエは間口は広いのですが、奥の空間が狭いため、気に入ってくれるか心配です。しかも、かつてヤドチャンが見たことがないタイプの形状です。
前日に食べた北海道産のツブ貝の殻(現在の借家よりやや小さい)とサザエさん3個をそっと置いてみました。
翌日にはさらに移動して、急速に水質が悪化しました。抜け殻の食べ残しでしょうか?月曜の朝に早起きをして、水替えをしてあげました。
水替え後は、元気に活動しています。ごはんももりもり食べますが、私の影を見ると、信じられないスピードで殻に閉じこもります。恥ずかしがり屋さんが一層悪化したみたいです。
サザエさんを新しい新居となる貝殻と認識しているかは不明ですが、かなりの興味を示しています。もし、お引越しをしたら、お祝いにアサリをあげたいと思いましたとさ。おしまい
おまけ
今後もかわいがり続ける覚悟ですが、本当に元の海に帰してあげた方がよいかと悩んでいます。過保護に育てた自分にも非があり、厳しい自然界で、自ら餌を探して、脱皮して成長できるのか?非常に不安です。たぶん二週間程度は断食可能な能力は持ち合わせていますが、出会った当時は、浅瀬の流れに身を任せて、目が回るであろう高速回転をしていました。円錐型のフォルムのために円弧的な移動で、生命感のない自然体の貝殻感を演出していたヤドチャン。いまだにコミュニケーションが取れていませんが、本当に石垣島に帰りたいかを問いかけていきたいと思います。